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- ペルシャ絨毯について

今、時代を越え、国境を越えて苛酷な歴史に磨きぬかれてきたペルシャ絨毯が私たちの居住空間に広がります。
息を呑むようなシルクの光沢、暖かなウールの感触。
伝統と文化が刻まれた独得のデザインと色彩、そしてその巧みな織り技術は、世界中の人々に偉大な世界の文化遺産 として生きつづけ、さらに次の世代に引き継がれていくことでしょう。
世界最古の絨毯「パジリク絨毯」

およそ2500年前に製作されたと推定されています。
その製法は、2本の縦糸にひと目ひと目糸を絡ませ結んでいく現在のペルシャ絨毯の織り方と同じです。
保存状態が良かったため、絨毯に描かれた「トナカイ」「馬に乗る兵士」の文様がはっきりとわかります。
また、絨毯に描かれた兵士の文様がペルセポリスの遺跡に残された兵士のレリーフに似ていることから、「パジリク絨毯」はペルシャ絨毯との説が有力です。
「パジリク絨毯」は、現在、ロシアのサンクト・ペテルブルクにあるエルミタージュ美術館に所蔵されています。

王様への貢物を持って並ぶ人々のレリーフ
ペルセポリス
全てが手作り

刈りとられたその毛から村の女が糸を紡ぎ、男達が鮮やかな色に染め上げる。
町の工房では意匠考案家が文様の構想に頭を絞っている。織工たちはたて糸を固く張った機(はた)の前に腰をおろし、何百万、何千万という結び目を作る作業にとりかかる。
彼らの確実ですばやい指の動きによって、色とりどりの草花やさわやかな緑樹、疾駆する動物達が誕生してゆく。長く単調な作業はやがて一枚のきらびやかな敷物となって遠い異国に運ばれ、人々の目を奪い、心を楽しませる。そこに息づくパルメットの花やアラベスクの蔓草は足に踏まれてなお輝き、樹木や小鳥は年を経てさらに生気を増す。